人により異なる現場の進め方を 学んで自分の道を築く
私は旭川工業高校の土木科を卒業してすぐ丸善建設に入社しました。当社では入社後10年ほどは現場代理人補助として、測量業務や写真管理などを行います。その後、施工管理者の資格を取得し、経験を積んでいくことで現場代理人として工事を担当するようになります。補助時代で勉強になるのは、現場代理人によって仕事の進め方が異なるので、多くの知識や考え方を幅広く身に付けられるところです。その中でそれぞれのいいところを吸収して、自分なりにより良い進め方を組み立てていけるのが醍醐味かもしれません。
ICTの幅広い活用で 建設業がスマートに進化
現在私が担当する現場では、橋の基礎である橋台を作る仕事を行っています。最初に測量を行い、作業員さんが作業を進めていくための「丁張」という指標を設置するのですが、これは建造物をつくる際に基礎の高さの目印となるもので、木杭を打って水平の板を取り付けます。そして土が崩れないよう土留めの矢板を打った後に、10mほど掘削してコンクリートを打設していくという流れです。これら全体の作業の監視と指導を行う中で、矢板を打つ業者、掘削する業者、コンクリート打設の業者と、各段階で異なる業者さんが入るので、それぞれと綿密に打ち合わせを行いながら作業を進めていきます。
近年はi-constructionといって、建設業にICT(情報通信技術)を活用する取り組みが進んでおり、従来の土木工事のイメージとは違ったスマートな面が増えてきました。こうした新しい技術の導入が、大いに工事の円滑化につながっています。
「正直ベース」のコミュニケーションで 人と人をつなぐ
実は昨年、印象に残る仕事をしました。施工条件に少々難しさのある現場で最初は不安な気持ちもありましたが、工事関係者の皆さんの協力もあって順調に工事を終えることができ、北海道開発局長賞表彰を受賞しました。工事関係者すべてが同じ目標に向かって進むことができ、とても達成感のある現場でした。
この仕事は結局、人と人とのやり取りなので、「打ち合わせがすべて」みたいなところがあります。言い方ひとつで受け取られ方も変わってきますし、コミュニケーションが一番大切だと感じます。だからこそ、「正直ベースで話す」というのは昔から心掛けているところです。ざっくばらんすぎて失敗することも結構ありますけどね笑。会社は話しやすい空気があると思うので、そこはしっかり受け継いでいきながら、今後は若い人たちへのアドバイスを含めたバックアップにも力を入れていければと思っています。